連載一覧– index –
-
書物に生かされて
人間は書物でできている。本は、いつのまにか記憶の奥底に根をはり、読み手とともに変貌し、生きつづける。東北文化、文学、歴史からサブカルチャーまで、境界を超えて探究してきた民俗学者は、何を糧としてきたのか。人間存在の深みへといざなう一冊、思... -
第2回 道具があるべき場所にあるということ
本連載は、これまで主として大規模なテクノロジーを対象として発展してきた技術哲学に対して、日常的な暮らしのなかで発揮される技術に注目することで、「小さな技術論」を提示しようとするものである。具体的に挙げられるのは、料理や掃除といった基本... -
暮らしの技巧──小さな技術論へ向けて
技術について語る──。といっても、世界を動かす巨大産業について、ではない。日々の暮らしに空気のようになじんでいる、等身大の「技術」がある。私たち一人ひとりの身体性をとおして、「生」を下支えしている物事とは何か。気鋭の哲学研究者による、あり... -
雁皮をたどる
和紙の原料として知られる雁皮。栽培がむずかしく、いまや山で採取することのできる人はほとんどいない。雁皮は、人間の思惑に取りこまれることなく、それでいて私たちの生活に伴走してきた稀有な存在でもある。この謎多き植物を追うべく、人類学者が旅を... -
それでもなお小説家であり続けること――大江健三郎とフランス文学
大江健三郎が学生時代から親しんできたフランス文学は、創作の根底においてどのような影響を与えたのか。約1万8000枚の直筆原稿・校正刷などをデジタル化した「大江健三郎文庫」が2023年、母校の東大に開設された。若かりし頃の大江が通ったキャンパスで学...
1