人間は書物でできている。本は、いつのまにか記憶の奥底に根をはり、読み手とともに変貌し、生きつづける。東北文化、文学、歴史からサブカルチャーまで、境界を超えて探究してきた民俗学者は、何を糧としてきたのか。人間存在の深みへといざなう一冊、思いがけない原風景を呼びさます一冊……。書物がいざなう思索の「旅」。
著者プロフィール
赤坂憲雄
(あかさかのりお)
1953年、東京都生まれ。民俗学者。東北芸術工科大学教授、同東北文化研究センター所長、学習院大学文学部教授を歴任。東北学を提唱し、1999年に雑誌『東北学』を創刊。『異人論序説』『王と天皇』(ちくま学芸文庫)、『境界の発生』『結社と王権』(講談社学術文庫)、『東西/南北考』『武蔵野をよむ』(岩波新書)、『遠野/物語考』(荒蝦夷)、『震災考』(藤原書店)、『性食考』『ナウシカ考』(岩波書店)、『民俗知は可能か』『日本という不思議の国へ』(春秋社)、『災間に生かされて』(亜紀書房)、『奴隷と家畜』『怪物たちの食卓』『定本 柳田国男の発生』(青土社)ほか著書多数。『岡本太郎の見た日本』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。