それでもなお小説家であり続けること――大江健三郎とフランス文学

大江健三郎が学生時代から親しんできたフランス文学は、創作の根底においてどのような影響を与えたのか。約1万8000枚の直筆原稿・校正刷などをデジタル化した「大江健三郎文庫」が2023年、母校の東大に開設された。若かりし頃の大江が通ったキャンパスで学び、のちに教壇に立った野崎歓さんによる記念講演を採録する。


著者プロフィール


野崎 歓

(のざき かん)

1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。『ジャン・ルノワール――越境する映画』(青土社)でサントリー学芸賞、『赤ちゃん教育』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞、『異邦の香り――ネルヴァル「東方紀行」論』(講談社文芸文庫)で読売文学賞、『水の匂いがするようだ――井伏鱒二のほうへ』(集英社)で角川財団学芸賞受賞、小西国際交流財団日仏 翻訳文学賞特別賞受賞。プレヴォ、スタンダール、バルザック、サン=テグジュペリ、ヴィアン、ネミロフスキー、トゥーサン、ウエルベックなど小説の翻訳多数。著書に『フランス文学と愛』(講談社現代新書)、『アンドレ・バザン――映画を信じた男』(春風社)、『夢の共有――文学と翻訳と映画のはざまで』(岩波書店)、『無垢の歌――大江健三郎と子供たちの物語』(生きのびるブックス)、『翻訳はおわらない』(ちくま文庫)など。

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